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ブルーレター from ホテルマン ゲストの前では笑顔のホテルマンたちが、「実はね…」ともらした本音の数々。 耳が痛いこと、知らずについやってしまっていたことなど、貴方も身に覚えのあること、ありませんか? これを読むと、ホテルで「良いお客」として扱われるにはどう振る舞ったらいいのかが実によくわかります。 情報誌「ホテルジャンキーズ」の隠れた超人気コーナーです。 →海外ホテルスタッフ編 →レストラン・スタッフ編 →バーテンダー編 →ベルボーイ編 →レセプショニスト編 →宿泊予約スタッフ編 →ラウンジ・スタッフ編 →ハウスキーパー編 →バトラー編 →バンケットスタッフ編 →マネージャー&その他編 ◆◆◆ 海外ホテルスタッフ編 ◆◆◆ ■なんか誤解されちゃう方がいらして…。 From 海外シティホテル 電話オペレーター ウチのホテル、お仕事の関係など長期でご滞在されていらっしゃる方がけっこう多いんです。オフィスとしてお使いの方もいらっしゃいますしね。 毎朝、ウェイクアップコール…ええと、日本ではモーニングコールって言うんですよね…朝ご指定の時間に電話をおかけして起こしてさしあげるんですが、長期のご滞在ともなると、毎朝、毎朝、お話しているとお互いに声も覚えてしまいまして。実はこの電話の声とか話し方で電話の向こうにいらっしゃるお客様、お会いしたことがなくてもお人柄がかな〜りよくわかるものなんですよ。あら、ごめんなさい、話がそれてしまいましたね。 そうそう、長いご滞在のお客様と毎朝、「おはようございます、7時でございます」「ありがとう」とやっていますとね、こうした定型の会話だけではなく、少しずつお天気のことですとか、ちょっとした雑談をするようになるんですね。「眠っちゃうといけないから、なんでもいいから話し続けてくれ、朝食メニューを読み上げるんでもいいから、とにかく私が目が覚めた、もう大丈夫だと言うまで頼む」なんていう方もいらしたりして(笑い)。ハイ、仰せのとおりに大声でメニューを読みあげました。 なかには、「今日はたいへんお天気がよろしくて、暑くなるそうでございます」と申し上げると、「ひゃー、暑いのは苦手だなぁ、かんべんしてよ。かわいそうな僕にキスで元気づけてくれないかい? 音だけでいいからさ」なんて、おふざけをなさる方もいらっしゃいまして(笑い)。 で、今日申し上げたかったのは、このことなんですよ。こういうのは、あくまでも大人同士の許される範囲でのコミュニケーションといいますか、ちょっとしたおふざけにすぎないものでございましょ? ところが、何を誤解されるのか、だんだんしつこく、本気っぽくなられるお客様がいらっしゃいまして…。深夜担当のときに「これから、君のところに行く」とか。ウチの場合、悪いことにご滞在中はホテルの携帯をお渡ししているため、「今ね、君の部屋の前にいるよ」とか。あ、この方はすぐにセキュリティにつまみ出されましたけど(笑い)。 う〜ん、そういうことをされる方が多い国籍について申し上げるのは控えさせていただきますけれど、アジア系の方、けっこう多いんですよね。お酒をたくさん飲まれて酔ってかけてきて、私どもオペレーター相手に愚痴なんかをえんえんとこぼされたり。 いろいろ危険を避けるために、ウチのホテルでは本名を使わず、仕事ネームを使ってるんですが、その仕事ネームあてにお手紙やプレゼントなんかも届いたりします。上司のマネージャーが楽しんで読んでます(笑い)。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.90 2012年2月発行号より) ■その時に言ってくださいね。 From 海外シティホテル ベルボーイ 先日も上司から呼ばれまして、「呼んだのに無視された。欧米人客にはすぐ笑顔で対応してるのに。これは人種差別だ」って日本人ゲストからカード会社を通してクレームが届いてるんだが、何か身に覚えがあるかって。 そんな何週間も前のこと、すぐに思い出せませんって。名札に私の名前が書いてあったっておっしゃるんですけど、ぬれぎぬですよ。そもそもそういうゲストをわざと無視したとか、人種差別したっていう記憶もないし、そんなこと普段から私はしないですしね。 まあ、一部の同僚の中にはね、チップが少ない国のゲストとは目を合わせないよう、近寄らないよう、巧妙にやってる奴もいますけど(笑い)。私は誓ってやってません。 何かクレームがあるのなら、なぜその時、せめてご滞在中に直接おっしゃらないのでしょうか? 日本人ゲストの場合、とにかく代理店やカード会社を通してのクレームって、多いんですよね。それも時間が経ってから。クレームはお早めにお願いします。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.90 2012年2月発行号より) ■いろんな人がいるもんです…。 From 海外シティホテル ハウスキーピング部マネージャー もともとは専業主婦だったんですよ、私。大学出てすぐに結婚いたしましたもので、外で働いた経験もなかったんです。 下の子供が大学に入って子育てから手が離れ、はじめの頃は自由な時間を謳歌しようと思いましてね、大学で興味があった心理学の勉強し直したり、フランス語を習ったり、お友達とランチやお茶したり、けっこう楽しくやっていたんです。ところが、ある日、たまたま一日ぽっかりスケジュールが空いたことがありましてね。家事といってもウチのメイドが料理も洗濯も掃除も全部してくれますから、ほんとうに何にもすることがなかったんです。それで、新聞を見ていたら、地元の名門ホテルのこちらでハウスキーピング部の責任者を探しているという求人広告が出てまして、たまたまそこのホテルの上の方をよく存じ上げていたもので、ご相談したら、「あなたなら出来ますよ。ぜひ、おやりなさい」と。主人は猛反対するかと思いきや、「まあ、いやになったら無理せず、いつでもおやめなさい」と。それで働き始めましたの。 具体的な仕事はハウスキーパーたちの仕事の管理ですね。現場の仕事をすることはありませんけれど、問題があった場合などは一緒にお部屋まで行くこともあります。そういう時に、ときどきすごいものを見ることがありましてね。すごいものって、その…お部屋の状態が。午後にチェックアウトのご予定のお客様のお部屋に朝メイドが掃除に行きましたら、なんと、足の踏み場もないほどの混乱状態。どう申し上げたらよろしいかしらね、お荷物すべてを洗濯機の中に無茶苦茶に放り込んでかき回して、ぐちゃぐちゃになったものをお部屋にばらまいたという感じが、一番、表現としては近いかしらね(笑い)。 呆然としていたら、たまたまそのお部屋のお客様が朝食から戻って見えたんですよ。何も見なかったような顔してご挨拶申し上げて、いちおう念のため「今日の午後チェックアウトでいらっしゃいますよね?」とお尋ねしたら、「ええ、そうですよ」と、別になんでもないように部屋の中に入って行かれるんです。床に散らばったものを平気でまたぎながら(笑い)。「よろしければパッキングのお手伝いさせましょうか?」ってお聞きしたところ、「お願いできるんなら、お願いします」ということで、メイドの一人が午後伺ったら、お部屋はそのまんまの状態。「どのようにお詰めしましょうか?」とお尋ねしたところ、開いた大きなスーツケースを3個並べ、「何も考えないで、とにかく手当たり次第放り込んでちょうだい」って(笑い)。そのメイド、とにかく頭を思考停止にしてやったそうですけど、ほんとうにいろいろな方がいらっしゃるものですわ。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.89 2011年12月発行号より) ■我慢するしかないでしょうね。 From 海外リゾートホテル コンシエルジュ お子さん連れのお客様、ウチにもよくお見えになります。 グループの方針として、これからは積極的にファミリー客を誘致しようということになりましたので、今まではみかけなかった幼いお子さんたちの声が響き渡るようになりました。え? 今のでわかりました(笑い)? つい、言っちゃいましたけど、小さいお子さんの声ってものすごく響くんです。それから、お子さんを叱ったり、呼んだりするお母様たちの声もね(笑い)。 ここはこれまでは、静かな静かな、静寂を売り物にするホテルだったんですけれどね、ノイズィー・ファミリー、あ、また言っちゃった(笑い)、たった1軒のにぎやかなファミリーがすべてをぶちこわしてしまうこともあります。 でもね、上の方針ですから仕方ありません。できれば皆さんにお願いしたいのは、お子さんに、お部屋の外に出たら走らない、大きな声を出さない、この程度のしつけはしてからいらしていただきたいですね。あ、お母様の方もね(笑)。 まあ、そうは言っても、我慢するしかないでしょうね。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.89 2011年12月発行号より) ■こちらも忙しいもので。 From 海外シティホテル コンシエルジュ よくコンシエルジュの辞書にはノーという言葉はないと言われますが、そうはいっても、当たり前ですが無理なことは無理なんですが、「どんなリクエストにもノーと言わないのがあなたたちの仕事ではないのか」と詰め寄られることがありまして、少々、困惑しております。 ええ、実は日本人のお客様なんです。ホテルについてずいぶんお詳しくて、いろいろご勉強もなさっているようで…我々の専門用語をお使いになったりされますからね(笑い)。 ところが、ほんとうに何かを頼みたいとか、我々の助けが必要ということではなく、ま、言わせていただければ、我々のコンシエルジュの力量のチェックをされているといった感じでして。 査察かもしれないと思わないかですか? いえいえ、その辺はわかるんですよ、独特の匂いのようなものがありまして(笑い)。 だいたいご宿泊の前段階から膨大な質問メールが入りますので、同僚には要注意で回しておきます。お時間をたっぷりお持ちなのでしょうけれど、我々も忙しいものでほどほどにしてくださいね。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.85より) ■過ぎた写真撮影は迷惑です。 From 海外リゾートホテル ロビー・マネージャー 誤解していただきたくないのですが、ご宿泊のお客様が大切なメモリーのためにご自分たちのお写真をこちらで撮影されるのは、もちろんかまいません。ウェルカムです。 私がおやめいただきたいと申し上げているのは、他のお客様がくつろいでいらっしゃるにもかかわらず、お客様に向けて平気でカメラを向けパシャパシャやったり、えんえんと長時間ビデオを回したりすることなんです。ええ、残念ながら、日本人のお客様に多いですね。 ここはリゾートです。お客様はここにたどり着けさえすれば、安心して無防備になり、リラックスできると思われているからこそ、他よりも高いお金を払ってウチにいらしているわけなんです。 おかげさまでウチのロビーはとても居心地いいと評判でしてね、お客様の中にはお部屋よりこちらの方がくつろげるとおっしゃって、わざわざここで読書をされたり、お茶を飲まれる方もいらっしゃるんですよ。 過ぎた写真撮影はここのアンビアンスを壊してしまいます。リゾートの意味をお考えいただきたいものですね。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.84より) ■お子さんによく注意して! From 海外リゾートホテル ハウスキーパー 「ドント・ディスターブ」とか「メイク・アップ・ルーム」の札、ありますでしょ? あれをお子さんたちがいたずらしちゃうんですよ。 お掃除の札がかかっているのでお部屋に伺うと、そんなこと頼んでいないって思い切り叱られたり、逆にいつまでたっても掃除に来ないとクレームが入ったり。 ある時、特定のフロアであまりにそういうことが多いので、ミーティングの際に報告したところ、マネージャーがもしやと思ってセキュリティーが保管している廊下のビデオを再生チェックしてみたんです。 すると、犯人はそのフロアにお泊まりのお客様のお子さんであることがわかりました。兄弟で札を裏返して歩いているんですよ。 後から聞いたら、朝食のオーダーカードもいたずらされたらしいです。頼んだ朝食が届かなかったり、頼んでないものにチェック印がついてお客様との間で問題になったりして。 リゾートですから親御さんたちも楽しむのに夢中なことはわかりますが、くれぐれもお子さんたちにはよく言い聞かせて、目を離さないでくださいね。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.83より) ■まぁ、その…良いお客様ではありますが。 From 海外シティホテル アシスタント・ジェネラル・マネージャー 私の仕事ですか? これは私の仕事ではない、とはっきり言えることがないような仕事でしてね(笑い)。 ええ、今もごらんになったように、ゴミも拾えば、朝のロビーコーヒーサービスでお客様がコーヒーを召し上がったあとで植木鉢につっこんでいったコーヒーマグの救出もします。 ベルマンがちょうど全員出払ったときに到着されたお客様が重そうなお荷物を持って歩いていらっしゃれば、「お荷物お持ちいたしましょうか?」と声をかけ、ベルマンもやります。 化粧室のご案内なんかはしょっちゅうですし、レストランで人手が足りない時にヘルプに入ることもあります。暇をもてあましていらっしゃるご老人のおしゃべりにおつきあいもします。どれもこれもすべて私の大事な仕事ですから。 ジャパニーズのお客様は、以前に比べるとずいぶん減りましたけれど、時々おみえになっていますよ。ミドルエイジのビジネスマンの方のご利用が多いですね。 ええ、たいへん良いお客様ですよ、トラブル発生率も低いですし、but...。But what ? が、何ですかって?(笑い) ええ、ちょっと微妙なことなんですけれど、まあ、こういう機会ですから申し上げてしまいましょうか。 ジャパニーズのお客様の場合、非常にセンシティヴでいらっしゃるというか、キズつきやすいというか、私共からみると過剰に反応されることがあり、たいていご帰国後、日本の代理店や旅行会社を通してクレームが入ります。 まあ、扱いにくいとまでは申しませんが、その、まぁ、ね。 たとえばですか? まず最初に申し上げると、お客様をご不快にしたわけですからウチのスタッフが100%悪いことなんですが、お客様が挨拶をされたのに、ちゃんとした挨拶を返さなかったというようなことで非常に立腹され、人種差別しているのではないかとまでおっしゃられてお怒りを収めていただくのに苦労するような類のことがありましてね。 なにかこう、自分はばかにされているのではないかということに、ものすごくセンシティブな方が多いですね、ジャパニーズ・ゲストの場合は。 そういう指摘があった当の本人に以前、直接事情を聞いたことがあるんですが、お客様が言葉を発する間隔がものすごく長かったので、もうてっきりお話は終わったのかと思って笑顔で「また何かご用がございましたらいつでもお呼びください」と言って立ち去ったのがよくなかったらしいんです。 本人はそんなクレームがあったと聞いても、いったい何が悪かったのかわからずキョトンとしてまして。 でも、良いお客様ですよ、ジャパニーズは、と私は思いますので、そう書いておいてくださいね(笑い)。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.82より) ■ちょっと浅ましいのでは? From 海外シティホテル コンシエルジュ クラブラウンジのコンシエルジュです。日本人のお客様に限ったことではありませんけれど、いつも拝見していて、ちょっとこれはいやだな…と思うことがあります。 ウチの場合、軽いスナックなどのミール・サービスを一日数回やっているんですけれど、こちらのラウンジでお召し上がりになるのならばいいのですが、フードやシャンパンなどの飲み物をお部屋にお持ち帰りになられる方がいらっしゃるんですね。ナプキンに包んだりして、ごっそりと。 たとえば朝食の時にリンゴやバナナをお持ちになるくらいはかまわないんですけれど、そういうのとはちょっと次元が違うんです。スシなんか置いておくと、一皿分、全部持って行かれてしまったりして、すごく困ります。なんだか浅ましい感じがしませんか? お一人でそういうことをされる方はほとんどいらっしゃらないんですけれど、カップルでいらしたりして、お二人になると気が大きくなるのか、堂々とされるのが日本人。 他の国の方はお一人客の方がこっそりされています、こっそりとね(笑い)。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.82より) ■ハイ、貴男はご常連です。 From 海外シティホテル レストラン・スタッフ 今のお客さん、常連のお客さんですかって? いえいえ、一度いらしたことがあるだけです、ご本人はすっかりご常連気分で「いつものやつをくれ」なんて、おっしゃっていますけれど(笑い)。 多いですよ、そういう日本人の男性客の方。どういうんでしょうかねぇ、すぐ常連客扱いされたがるっていうのか…甘えん坊なんでしょうか、日本人男性って。 私たちの場合、いただくチップの金額にてきめんに影響しますから、日本人のお客様の場合は特に注意してお名前や好き嫌いなどを覚えるようにしています。 すると、「オッ、俺の嫌いなネギ、ちゃんと取っといてくれたな」なんて、すごくうれしそうなんです。すぐにリラックスしてくつろいじゃうのも日本人男性の特徴ですね、まあ、かわいいと言えばかわいいですけど、ちょっとくつろぎすぎの方もいらしたりして…(笑い)。 もちろん、欧米人のお客様でもそういう方はいらっしゃいますけれど、日本人の男性は特に目立ちます。日本のおうちではどうなんですか? (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.71より) ■失礼かとは存じますが…。 From 海外リゾートホテル マネージャー ごらんのように当ホテルは大変に美しいところでございます。ですから、いつもスタッフたちには、ここを舞台と心得、脇役として登場する我々も役者のつもりでいなければならないと、申しております。 ウチはリゾートですので、お客様にはのんびりとリラックスしていただきたい、というのがホテルの方針です。ホテルの敷地内におけるドレスコードも、基本的にはすべて「カジュアル」で、ディナータイムのメインダイニングとメインバーのみ「スマート・カジュアル」にしてございます。 問題はこの「スマート・カジュアル」の定義でして…。つまり、まったく同じ服装をされたとしても、これが「スマート」にお見えになる方とお見えにならない方がいらっしゃる(笑い)。 その違いの差でございますか? 着こなしのセンス、慣れ、体格…まあ、こんなことお客様について申し上げるのは大変失礼でございますが、やはり、ラフな格好ほどその方のふだんのご生活や人となりが出てしまいます。 ですから、慣れない方や自信があまりおありにならない方ほど、あまり崩さないで、きちんとした格好をされた方がよろしいかと。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.69より) ◆◆◆ レストラン・スタッフ編 ◆◆◆ ■むずかしいお年頃のお客様。 From 国内シティホテル レストランチーフ 「客が自分で立って行ってコーヒー入れたり運んだりしてるってのに、なんでおまえら何人も暇そうに突っ立ってるのに手伝わないんだ?!」って。コレ、けっこうしょっちゅう言われますよ。ご年輩の方は特にビュッフェスタイルに慣れていらっしゃらないから、サービスが悪いって思われてしまうんですよね。 慣れている方だと、ナイフやフォーク、ナプキンなども一緒に持っていかないといけないとか、おわかりになるんですけれど、不慣れな方の場合は、ようやく料理をなんとか運んで、さあ、食べようという段になって気づくんです。それで、何度もビュッフェ台とテーブルを往復するはめになる。だんだんムッとされてくるのが拝見していてもわかるもので、さりげなく「お客様、スプーンはこちらにご用意しております」など、いわゆる"一歩踏み込んだ"サービスっていうのをやるんですが、これもね、また相手によっては自分が慣れてないことを見透かされたようでおもしろくないらしいんです。どうもむずかしいお年頃のようで(笑)。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.90 2012年2月発行号より) ■まあ、本音を言わせていただければ…。 From 国内シティホテル ソムリエ 「良いソムリエっていうのは、どんなソムリエのことを言うんですか?」そう尋ねられた時に、ついうっかり「たくさん売り上げを上げる人」って言ってしまった知人のソムリエがいましてね(笑い)。 ただ、正直言ってですね、これが私どもソムリエの本音と言えば本音でしょうね。私のようなホテル会社に勤めるサラリーマン・ソムリエであろうと、街場のレストランを一匹狼で渡り歩いているソムリエであろうと、結局、売上が上がらないといつでも首をすげ替えられてしまう身ですから。我々もまあ、言ってみれば、ホテルの前線に立つ営業マンのひとりなんですよ。 だからといって、なんでもかんでもできるだけ高いワインをお客様にお薦めしてしまえばいいってもんでもないところが、ソムリエという立場のむずかしいところでして…。あそこのソムリエはやたら高いワインばかり薦めるなんて評判が立った日にゃ、これまた職を失いますからね。 じゃあ、いったいどうすりゃいいんだということになるわけですが、お客様の顔色を読んで、おすすめするワインを決めるわけです。この方はかなりご経験も豊富でワインのことをよくわかっていらっしゃるから、真っ当に今いちばん良いと思うものをお薦めしようとか、この方は口ではあれこれ言うけれど実際のところはなんにもわかっていないから、高いワインを薦めちゃおうとか、まあ、そんな感じで…。 高いワインをおすすめした方が喜ぶお客様もいらっしゃいますからね。この商売始めたばかりの頃、良心的なものをおすすめしたところ、「お前、ワシをなめとんのか! 最高のもん選ばせるために呼んだんじゃねぇか!」と、万札がぎっしり詰まった財布を出されたことがありますから(笑い)。そこはお客様に合わせて臨機応変にやります。 この商売で生き残っていくには、ワインに関する豊富な知識や味覚はもちろんのこと、お客様に「すごいソムリエに良いワインをすすめてもらって良かった」と思わせるプレゼンテーション能力、表現能力などが問われるのと同じくらい、人間に関する洞察力が必要ですね。 ただね、口だけ、接客力だけでもダメ。やっぱり、地道にちゃんと勉強しているかどうかってのは、わかる人にはわかられてしまいます。 本当に我々の助言を必要としてくださり、耳を傾けてくださる方に対しては、ご予算の範囲内で最上のものをおすすめしますので、ご安心を。で、見栄を張りたい方にはそれなりに(笑い)。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.88 2011年10月発行号より) ■こっちの事情も察して…。 From 国内シティホテル ルームサービス担当 最近、ほんとうにお子さん連れのお客様、増えました。少子化とか言ってましたけれど、もう違うんじゃないんですかねぇ。 私はルームサービスのオーダーをお受けする仕事をしているんですが、この頃ちょっと困っているのが、幼いお子さんに電話をさせる方がいらっしゃることなんです。最初はよくまわらない口で「おね〜がい、ちまちゅ」なんて言われると、ほほえましくも思ったんですけれど、なにしろ一件についての時間がかかりすぎるんですよ。小さい子だと話の要領を得ませんし。小学生でも高学年くらいになれば、オーダーの内容確認などもきちんと対応できますけど、幼いお子さんの場合こちらが何言っても「う〜ん、わかんない」とか「あのね、さっきプールでね」なんて関係ない話始めたり…。後ろで大人の声がするので「ママかパパに代わってくれない?」って言っても代わってくれなくて、こっちが泣きそうになっちゃいます。こちらもブースで一人きりで対応していますんで忙しいんです。どうか察してくださいな。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.88 2011年10月発行号より) ■いくら退屈だからといっても…。 From 国内シティホテル コーヒーショップ・元ウェイター いやあ、あの時のことは今でも信じられません。 私どものホテルは世界各国のVIPの方々をはじめ、エグゼクティブ・ビジネスマンのご利用も多い、自他共に認める高級ホテルです。当時、私が勤務していたコーヒーショップは、館内では一番カジュアルとはいえ、ご利用のお客様はそういったパリッとした方々で、平日の昼間は商談でご利用されるスーツ姿のビジネスマンのお客様の姿も目立ちます。 その日、ご常連のお客様のひとりがいつものように少し遅めのランチにおみえになりました。芸能人とか政治家ではありませんが、まあ、たいがい名前を言えばどなたでもご存じと思われる有名人でして、たいへんお金をお持ちとのことで、お金の力でいろいろなところに現れる方ですよ。 夏でしたが、この方、スーツにネクタイ姿でいらっしゃいまして、テーブルにつき、いつものメニューをご注文になり、「いやあ、今日も暑いね」など世間話をしたところまではいつもと変わりありませんでした。 その後、他のテーブルのオーダーなどを受けたりしていたところ、同僚のウェイターがひじで私をつっつくのです。「なんだ?」と言って彼を見ると、しきりに例の方に目をやるんです。ふと気づくと、店内もなんとなくしーんと静まりかえり、他のお客様も例の方を注視しているのです。 私が見た時は、その方は立ち上がって脱いだワイシャツを椅子の背にかけているところでした。ハイ、シャツ一枚で…。シャツといっても、いわゆるTシャツではありませんで、下着の半袖シャツ。どう見ても、あれはグンゼかなんかの正真正銘の下着でしかありませんでしたよ(笑い)。 外国人のお客様など、もう目が飛び出そうなお顔でして、商談も一時ストップ状態。やり方、ふるまいがあまりに堂々としているもので、店内にいる全員が、いったいここで何が起きているのかわからない状態でした。 例の方ですか? もちろん確信犯ですよ。ふだんは常識も備えている方ですしね。ただ、年も取られて、金も使い切れないくらい持っているし、退屈されているんでしょうねぇ。 マネージャーを見ると、彼も信じられないものを見るような顔でしばし凝視していましたが、さすがに百戦錬磨のベテランです。なんでもない風にさりげなく例の方のところに歩いて行くと、にこやかに会話しながらワイシャツを取って羽織らせ、一緒に店外に出て行きました。ええ、おとなしく出ていきましたよ。 まあ、テレビなどでお姿拝見する度に、あの時のこと、思い出します。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.87 2011年8月発行号より) ■そんな泥酔するまで飲まなくても…。 From 国内シティホテル レストラン・マネージャー よく言われることですけど、世の中、金をたくさん持っていても、幸せになれるものではないものなんだなぁ、とつくづく感じますね。 ウチの場合、フランス料理といってもお気軽にお召し上がりいただけるタイプの店ですし、おひとりでお食事にいらっしゃる方はけっこういらっしゃるんですよ。男性、女性問わずです。女性の場合はけっこうお若い方もおひとりでいらっしゃいますが、男性でお若い方でおひとりという方はほとんどみかけませんね。男性の場合、圧倒的に多いのが、シニアの方々。女性もシニアの方、多いですけど。 おひとりでもね、充分にお楽しみいただいている方も多いんですよ。お若い女性の方でも堂々としていらして、ワインを楽しみ、お料理を楽しみ。そういう方がいらっしゃるとですね、場も華やぎますし、店もいい雰囲気になるんですよ。 困るのはですね、おひとりでいらして、ぐいぐいグラスを重ねられて、しまいに泥酔されてしまう方。どんよりした目でしつこくからまれたりしましてね。お料理の途中で眠ってしまわれる方なんかも時々、いらっしゃいまして…。 他のお客様にも迷惑ですし、店の雰囲気は悪くなるし。ご注意申し上げると、「生意気言うな、高いワイン何杯も飲んで儲けさせてやってんだろが! これの原価知ってんだぞ」なんておっしゃられて…。 まあ、あれじゃあ、ご一緒にお食事されたいと思う方もいらっしゃらないでしょうけれどねぇ。ええ、ウチのホテルのいわゆる長年の顧客の方でしてね、たいへん裕福でいらっしゃるとお聞きしています。ウチくらいしか来るところがないのか、なんなんだか。 女性のお客様でもいらっしゃいます。ミドルエイジくらいにお見受けする方で、服装とか雰囲気からみても大変恵まれたお立場に見える方です。フランスにもしょっちゅう行かれていらっしゃるようで、我々にも現地の事情を教えてくださったり、素面の時はふつうの良い方なんですけれどね。ワインやフランス料理にも精通していらして、我々も味をわかって下さる方にサービスするのは楽しいものですから。 それならばなおさらって思うんですけれど、お一人でワイン一本は軽く空けてしまわれるんですよ。それで、いつも最後は泥酔するまで飲まれるんです。もうああなってしまったら、ほとんどアル中なんだと思いますけれど、良いところの奥様だった方が途中からジャガチェンして、単なる酔っぱらいのオバサンになっちゃう(笑い)。なにか深いところでお幸せではないんでしょうねぇ。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.86より) ■ありがたいことではありますが…。 From 国内シティホテル F&Bマネージャー なにしろこのご時勢ですからね、ホテルはどこもみんな、大変ですよ。今回の地震の後、シャングリラ東京さんなんか、全館一時クローズしちゃいましたし、ペニンシュラさんだってメインダイニングのピーターの営業を一時やめましたからね。ウチなんかも計画停電のため営業時間短縮なんて体の良いこと言ってますけれど、実際のところ、お客さんが来なくて店を開けていても赤字なんですよ。 いやあ、大変なことになったもんです。企業関係のご利用は日本のいつものアレで横並びですから、別にする必要なくてもみんなそろって自粛しないといけないわけで。 そんななかで、自粛も何もどこ吹く風なのが、リタイアされた方たち。どこもかしこも自粛でつまらないらしいんですね。地震の後、ずっと家に張り付いてテレビ見て、なんだかんだと講釈垂れていたものだから、口うるさいは、食事の支度はめんどうだわで、奥様たちにいやがられているようなんですね。で、「どっか出かけてきたらどう?」って。 で、家は出されものの、本屋にちょっと寄ったら後は行き場所がない。というわけで、昔、現役時代によく来たホテルにでも行ってみるか、こちらに足が向くらしいんです、ハイ。 昔は大企業にお勤めでえらかったけれど、今は肩書きも何もないっていうリタイア組の方々、皆さん、ホント、判を押したようにやることが同じなんですよ。 まず、入口の所で「○△君いる?」って、私がいるかどうか聞かれるんです。ちょっと胸そらされてね(笑い)。で、「失礼ですが、お名前を頂戴してもよろしゅうございますか?」って、ウチの者が尋ねると、「◇○物産の△□だが」なんて、現役時代の会社の名前を名乗られるのも皆さん共通です。それも、親会社時代のね(笑い)。 私ですか? もちろん、かつては大変お世話になった大切なお客様ですから、昔と変わらないご挨拶をさせていただき、昔お好みだったお席にご案内して、「いつものでよろしゅうございますか?」と最大限の対応をさせていただきますよ。こうしていらしてくださるのは本当にありがたいと思っていますから。 ただ…ハイ、ただですね、少々困るのが、おしゃべりがなかなか尽きなくて、離してくださらないことなんですよ。元々、お時間はたっぷりある方たちですし、お一人で退屈されているのもよくわかるのですが、私はといえば、他のお客様のお世話もございますし、部下たちの管理もありますし、正直そうそう長くはおつきあいできかねるんですよね。 まあ、そうは言ってもね、なかなか…ね。私もね、人の振り見て我が振り直せってよく言うでしょ、引退後は気をつけなくっちゃあね。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.85より) ■コドモ返りでしょうか…。 From 国内シティホテル ラウンジ・ウェイター いやあ、響くんですよねぇ、お客様の声。ここの場合、ワンルームみたいなつくりで、ロビーとの間に仕切りもないですから。特に女性のバカ笑いの声が。外国人のお客様なんか、ときどき目を丸くして凝視していらっしゃいます。 昼下がりはどういうわけかシニア層の女性グループのお茶の間みたいになっちゃってましてね。五、六人も集まると、もうダメですね。ご自分達の世界にどっぷり浸かっているから、まわりのことはすっかり忘れて見えない。で、皆さん、人の話なんか聞かずにしゃべっていますからダブル、トリプルで声が重なる。 同じシニアでも男性の場合は、まあ、確信犯とでも言いましょうかねぇ、まわりはうるさくて迷惑なんだろうなぁとわかっていながらも騒いでるっていう感じ。 女性の場合は、外の世界はもうバッサリ、関係ないもん(笑い)。 ああいうのって、躾が出来ていないコドモと同じだと思うんです。人間年取ると、だんだんコドモ返りしていくんじゃないかって、最近、みんなで話してるんですけれど。ああ、ウルサイ。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.84より) ■やるなら外でやってください! From 国内シティホテル ウェイター ある夜、遅くのこと。コーヒーショップに熟年カップルと弁護士の方が三人で来店されました。 事務所のような密室や街場の喫茶店などよりも、ホテルのようにパブリック性が強く、優雅で静かな雰囲気の場で話した方が、他人の目を意識して冷静に話し合いができるから、とおっしゃりクライアントとの打合せでホテルのラウンジやコーヒーショップを利用される弁護士さんはけっこういらっしゃいます。 さて、例の三人ですが、サービスしながらそれとなく漏れ聞くところによると、どうやら熟年カップルの別れ話のようです。 ふたりの会話がだんだんエスカレートしてきたなぁと思って見ていると、いきなり女性が男性に水をぶっかけました。それでは足りないのか、コーヒーまでかけたのには驚きました。男性はもちろんのこと、テーブルも床もびっしょりでした。 私としてはすぐにテーブルの上からすべてを下げたかったのですが、上司がこういう時は、「何もしない、触らないのがサービスだ」と。 実はオーダーの際、弁護士の方がケーキを注文されたんですが、いつものようにフォークとナイフをセットしようとしたところ、「スプーンのみでけっこうです」とおっしゃったのです。何でだろうと不思議に思っていたのですが、これからの話の成り行き上、鋭利な刃物は危険だと経験で察知されていたんでしょうね(笑い)。 最初から、明らかにアブナイとわかっているお客様の場合は、奥の席にご案内し、周りにはなるべく他のお客様は入れないようにするのですが、この日は想定外でしたもので(笑)。 閉店時間を過ぎ、「そろそろ…」と声をかけても、興奮して怒鳴り合っているお二人の耳には届きませんし、弁護士さんも手がつけられない状態。 とうとうその日のインチャージがナイトマネージャーの応援を要請したのですが、彼らがレストランから他のバックスペースに移動するまでにさらに30分以上。その間、私たちスタッフはレストランの裏に避難していたんですが、ホールには何かがぶつかる音が響いていました。 ひょいと覗いてみると、女性が猛然と男性に飛びかかっているんですね。それでテーブルに男性の頭をガツンガツン。それを必死で制止しようとする弁護士さんとナイトマネージャー…。修羅場という言葉の意味が初めてよくわかりました(笑い)。 翌日、その弁護士さんに聞くと、女性が三発!殴ったそうです。「恋愛がもつれると大変ですね」そう言うと「あの二人は夫婦だよ」って…。 でも、どうせやるなら外でやって下さいよ。他のお客様、みんな怖がって逃げちゃいますから。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.72 より) ■もう、無理なんですってば。 From 国内シティホテル レストラン・ウェイター これは、お客様への文句ではありません。むしろ、会社に言いたいことなんです。 ここのところの不景気で、売上はガタ落ち。当然のことながらコスト削減の指示が出たのですが、人員削減がもう限界を超えているんです。ホテルとして最低限すべきサービスがもう物理的にできないんです。 どんなに忙しくても、お客様がいらしたらまずは「おはようございます」とご挨拶し、笑顔で席までご案内し、メニューはきちんと開いてお渡しし、コーヒー・紅茶をお持ちするタイミングを伺い、お席についたところでお注ぎする。食べ終わったお皿はすみやかに下げる。こんなのホテルでなくても当たり前、最近は街場のファミレスだってやってることです。 ところが、です。こんなことすら対応できないくらい、人が足りていないんです。サービスがなってない、とお客様からはしかられるし、泣きたいくらい。出社拒否症になりそうですが、そんなことしたら今どきはすぐクビでしょうから、なんとか我慢してます。でも、もう限界…。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.72 より) ■お客様、許して下さい。 From 国内シティホテル ウェイトレス あ、ごらんになっていましたか? まあ、今のは私も悪いんです、パンのおかわりを頼まれていたのをつい忘れちゃったんで。でも、あんなに怒鳴り散らすことないって、正直思いますけど…。 最近、四十代くらいの女性の方でやたらとサービスに文句をつける方が多いんですよ。オーダーを間違えたり、お料理のお届けが遅くなったり、お水やコーヒーのおかわりの合図に気づかなかったりすると、てきめんに叱責が飛んできます。 ハイ、もう叱責なんですよ。物言いもすごーくきついですし、ネチネチと突っ込んできて、なかなか許してもらえなくって、泣きたくなることもあります。これは、主婦の方もお仕事をされている方も、この世代ではどちらにも共通することなんですよね。ものすごく権利主張するっていうか、険があるっていうか。 こんな話を従業員トイレで同僚としていたら、お掃除に来ていたおばちゃんが、「一番トイレの使い方がなってないのも、その年代の人たちだよ。口だけはごりっぱだけど。まあ、育てたアタシたち親の世代の責任だろうけどサ」って言ってましたけど。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.71 より) ■私たちにとってのいいお客様 From 国内シティホテル レストラン・スタッフ もし、私の目の前に、おふたりの常連のお客様がいるとします。 おひとりは、静かにお茶と軽食程度を召し上がられ、マナーもよく常識的な滞在時間で切り上げていかれる方。もう一方の方は、いつも高いお料理やお酒を注文され、非常に高額は使われるけれど、マナーが悪く、延々と長居したりする方。 どちらのお客様を我々が歓迎するかというと、実は、これはそのホテル、あるいは上の方針により異なるというのが実際のところです。 ウチの場合、たいへんありがたいことに、上の方針が売上至上主義ではないので、前者のお客様の方に手厚くサービスすることが許されます。 けれど、最近、ほとんどの他のホテルさんでは、現場には有無を言わせず売上第一。より高いお金を払われるお客様が「いいお客様」です。 その結果、シックなはずのレストランの雰囲気が損なわれ、元々いらしていたシックなご常連のお客様の足を遠のかせることになってしまっています。雰囲気っていうものは、結局のところお客様次第なんですけれどねぇ。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.69より) ■本音を言わせていただければ…。 From 国内シティホテル レストラン・スタッフ どんなお客様でも、お客様はお客様。お食事を楽しんで、気分よくお帰りになっていただくのが私どもの仕事のすべて。そう先輩たちから教えられ、これまでも誠心誠意そのようにつとめてきたつもりでおります。 私も貴誌ではもうそろそろ「爺や」と呼ばれる年頃でございまして(笑い)、若いスタッフのフレンドリーといえばフレンドリー、けれどあまりにカジュアルな言葉遣いや態度には驚愕、ハイ、もう時々、信じられない思いのこともございますんですよ、お客様に向かって「うん」などと気軽に返事したり致しまして(笑い)。 まあ、手前どもがそんな状態で、お客様がどうこう言える義理ではないんでございますが、昨今、お行儀がいまひとつの、いえ、ふたつもみっつもかな(笑い)、お子様連れのお客様があまりに多くて少々困っております。 手前どもをたくさんお使いくださるお客様にはお子様連れを希望される方も多いもので、上の方針でお子様連れ大歓迎としておりますが、まあ、本音を言わせていただければ、私どものようなレストランに小さなお子様連れは、できればお控えいただきたいと…ハイ。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.68 より) ◆◆◆ バーテンダー編 ◆◆◆ ■昼のお酒はほどほどに…。 From 国内シティホテル バーテンダー ウチの場合、昼間の時間帯から店を開けているわけですから、もちろん、お酒をお飲みいただくことは一向にかまいませんよ。メニューにもお出ししていますし。 しかしね、やはり昼のお酒というのは、ある程度お強くて顔にも出ないような方が、節度をもって「少しだけと」召し上がっていただくというのが前提でして。それをですよあなた、昼からマティーニみたいな強いお酒をがんがんお代わりして飲んでですよ、顔は真っ赤、ろれつはまわらなくなり、酔っぱらってロビーなんかをふらふら歩いたりされたのでは、飲ませたこちらが逆に責められてしまいます。 ええ、けっこう多いんですよ、こういうお客様。最近、女性でもいらっしゃいますよ。お酒がたいへんお好きなのはわかりますが、やはりね、女性が昼間にホテルみたいなところで酔っぱらった姿を見せるのはかっこよくありませんよ。 ホテルのバーってところは、かっこよくお酒を飲む場所なんです。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.85 より) ■そんなことで文句つけられても…。 From 国内シティホテル バーテンダー だいたい一回でもいらしたことがあるお客様のお顔は覚えていますよ。ええ、記憶力はいいようでしてね、お客様がカウンターに座られた瞬間、以前いらした際にオーダーされた飲み物、ご一緒にいらしたお連れ様、その際に交わした会話なんかも思い出しますね。 いえ、特に覚えようと努力しているとか、ノートを付けているとか、そんなのでは全然ないんです。仕事柄というか、なんとなく自然に。 でもね、記憶力がいいのって、いいことばかりではないんですよね…。 いつも必ず同じ銘柄のお酒をご注文される方がいらっしゃるんですが、その方が奥様らしい方とおみえになった時のことです。ああ、今日はいつものお連れの方とご一緒ではないなとは思ったものの、つい体が動いていつものお酒のボトルを棚から出してスタンバイさせておいたんですね。 ご主人はそれにはまったく気づかず、その日はいつもとは違うお酒をオーダーされたんです。ところが、さすがに女性というものは鋭いものだと思いましたが、奥様はそれに気づかれていらしたんですね。 ご主人はいつもの快活でよくおしゃべりになるご様子とはちょっと違って、口数少なく黙ってお酒を飲まれていらしたんですが、突然、奥様が前を向いたまま低い声で「彼女ともよくここに来てるのね」って。 その瞬間、カラーンってご主人のグラスの氷の音が響きまして、私もシェーカーを振っていた手が止まりそうになりました。必死で何も聞こえないふり、しましたけれど。 低い声での言い合いになったんですが、ああいう鋭い低い声って、カウンターのこっちには全部聞こえちゃうんですよ(笑い)。 「違うって」を繰り返していたご主人が「じゃあ、なんでそんなことわかるんだよ」って言った時に、奥様が目で指した先には例の酒のボトル。 言い合いがだんだん激しくなってくると、マネージャーがカウンターからさりげなく尖ったものとかガラスの灰皿とかあぶないものを下げはじめました(笑い)。 後から、ご主人がお一人でやってきましてね。かなり酔っぱらってまして、最初からもう喧嘩ごし。 「お前、なんで余計なことするんだよ! 責任取れよ!」って、殴られそうになりました。でも、そう言われたって、何を言ったとかしたとかの話ではありませんし、とぼけました。最後はマネージャーが引き取ってくれましたけれどね。 ですから、よく巷では一歩先を読んだサービスだなんて言いますけれど、こういうのもケースバイケースでしてね。以来、あまり先取りしないよう、注意しています。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.83 より) ■退場勧告したいんですが…。 From 国内シティホテル ラウンジ・マネージャー よくこちらで「知ったかぶり」のお客様のことが出ていますが、私に言わせれば、そんなのまだまだカワイイもんですわ(笑い)。黙ってハイハイ聞いていれば済むことですから。 それよりも困るのは、お酒を召し上がって度を超して酔われるお客様です。ここではお酒もお出ししますから、夜になるとね、けっこういらしゃるんですよ、酔っぱらいが。絶好調になってくると声はだんだん大きくなるし、笑い声はけたたましい。トイレに立たれる時なんか見てると、もう足元がふらふらして、完全な酔っぱらい状態。 実は、男性だけではなく、女性の方もね、最近、酔っぱらう方が多いんですよ、それも中年の分別盛りの方で。優雅を売りにしているこの雰囲気の中で、そこだけ駅前の安い居酒屋みたいになっちゃう(笑い)。 お代わりのご注文の際にそれとなくご注意申し上げるんですけれど、まあ、聞いていただけませんね。 正直なところ、ここのお客としてふさわしくないから退場勧告したいんですけれど、そこまではなかなかできないのがつらいとこですわ。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.83 より) ◆◆◆ ベルボーイ編 ◆◆◆ ■お客さん、空気読んでくださいよ。 From 国内シティホテル ベルボーイ どんなお客様も大切なお客様と心得、誠心誠意サービスさせていただきます…というのは、ホテルマンがよく言う表向きの言葉でして。ハイ、ホテルマンは口がうまくなければ勤まりません(笑い) 。時々、いえ、正直に言いますが、けっこうしょっちゅう、何故にウチのホテルを選んでくれてしまったのか、というようなお客様がおみえになることがあります。そのぉ、ウチのホテルの雰囲気から明らかにはずれているような方とでも申しましょうか。出で立ちも、何もかも。もうこの際、ぶっちゃけ言わせていただくと、ウチなんかに来ちゃいけないというか、思い切り浮いているんですよ。 まあ、ウチもネットなんかでバカみたいに安いレートを最近出しちゃってますからね。しょうがないことなんですけれど、やっぱ、つらいっすよね、そういうお客様にウチ流の優雅なサービスをするってのは。なーんて口が裂けても表では言えませんけれどね。 ま、お客様の側でもその辺、空気読んでもらいたいって言うか、ちょっと考えて欲しいっすよね。すいません、つい地が出ちゃって(笑い)。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.70 より) ◆◆◆ レセプショニスト編 ◆◆◆ ■セコイんだよなぁ…。 From 国内シティホテル レセプショニスト 大手メディアのお客様なんですが、ウチの担当部署の者なんかが下にも置かない扱いで接待しているのはよく見かけています。その彼がね、深夜にかなり酔っぱらったご様子でお若い女性連れでいらっしゃいまして、「取材だから」部屋を用意するように言うんです。それもスイートルーム。 こちらもとぼけて「いつもご利用ありがとうございます。お支払いはクレジットカードでなさいますか?」と尋ねると、「取材だから、○△に回しておけ」と。○△はウチの担当部署の責任者です。マネージャーに相談すると、「しょうがねぇなぁ」と言いつつ、お部屋、お出ししましたよ。私なんかは忸怩たる思いでしたけれどね。だって、公私混同のたかりでしょ? 社食で「こんなことがあってさぁ」とグチってたら、バーの者が、その方いつも、明らかにお仕事のお相手でもないし、お仕事のお話とは思えないバーでの支払いに会社宛の領収書を頼んでますよ、と。大きな会社に勤めて普段は正論吐いて、えらそうにしてるくせに、とにかく、セコイんだよなぁ。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.87 2011年8月発行号より) ■顔で笑って心で怒って…。 From 国内ビジネスホテル レセプショニスト ロビーラウンジにゲストの方たちがご自由にインターネットを使えるようにパソコンを置いているんですけれど、チェックインされてから、チェックアウトされるまで、ほとんどお一人で独占して使われる方がいらっしゃるんです。他のゲストが使おうと思って何度も見に来ては、その方がいらっしゃるのを見てあきらめて帰られたりして。 「他のお客様でお使いになりたい方もおいでのようですので…」って、いちおう申し上げたんですけれど、せいいっぱいの笑顔で。 ジロリとにらまれまして、「どこにいるんだ? いないだろが」って。そのまあ、お客様のことですのでこんなことは申し上げにくいんですが、雰囲気がなんとなくオタク風で…ちょっとあぶない感じって言いますか(笑い)。 他のお客様もその方がいらっしゃると、ロビーに降りてきてもすぐに「行こか」みたいな目配せしていなくなっちゃうんです。すると、残されるのは私と彼の二人(笑い)。 ウチはこんなビジネスホテルですからあんまりうるさいことも言えませんけど、困ってます。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.86 より) ■確信犯にはつい意地悪を…。 From 国内シティホテル レセプショニスト 最近、ホテルの上手な使い方について書かれた雑誌の記事なんかも増えたせいか、アーリーチェックインやレイトチェックアウトを希望されるお客様が増えましてね。 なかには規定のチェックイン時間よりも相当早くにやって来て、「当然の権利」とばかりにアーリーチェックインを要求する方もいます。それも、いわゆる「もしお部屋の用意が可能であれば…」なんていう謙虚な物言いではなく、もうほとんど当たり前の要求レベル。 そもそもこちらの好意からやり繰りしてお部屋を用意していることなのに、そういう言い方をされるとこちらも人間ですから、むっとして腹も立ちます。 そうするとですね、ついつい、多少無理すればできなくもないことも、やりたくなくなっちゃうんですよね。ええ、意地悪な気持ちがついむらむらと湧いてきて…(笑い)。 逆に、その辺をきちんとわきまえているお客様だと、言われなくてもこちらから気を回してサービスさせていただいちゃいます。おもしろいものですね、というか、人間出来てませんね、私(笑い)。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.70 より) ◆◆◆ 宿泊予約スタッフ編 ◆◆◆ ■なんかじとーっと疲れるんですよね…。 From 国内シティホテル リザベーション担当 ネット予約が増えて、前に比べると仕事がずっと楽になっただろうってよく言われるんですけれど、逆ですねぇ。疲れはずっしり体にしみ込み、なかなか抜けない。根が深?い感じです。 たとえば、予約は一休さまなどの予約サイトから入れても、予約内容やホテルに関する質問、リクエストなどはこちらあてに直接メールして来られる方って、けっこう多いんですね。 電話予約が中心だった時代は、回線がふさがっていればつながらないわけですから、対応できる件数も限られていましたけれど、メールは24時間、いつでも自動受信。朝、出社してきて、PC立ち上げて、どどどっとメールが届いているのを見ただけでもう疲れてきます。 なんていうんでしょうかねぇ、メールって不思議なものなんですよね。電話でお互いの声を実際に聞きながら話している時には言わないようなことを皆さん平気で言ったり、したりするんです。 まあ、電話の時代もね、お客様に理不尽に大きな声で怒鳴られたり、暇な方がねちねちと長話してきて、なかなか電話を切ってくださらないなど、それなりに「ああ、もう、やだやだ!」って…すみません、ちょっと声大きかったですね(笑い)…叫びたくなるような、いやなことは多々ありましたけれど。 異常に質問の数が多いメールを送って来る方、いるんです。それも、夜中に思いついた度にメールされるから、朝、私が出社した時点では、何通も同じ方から届いたのがずらっと並んでいたりする(笑い)。 あとですね、いちいち返事を出さないといけないように、末尾が必ず質問形になっているメールをきりなく送ってくる方。おそらく、こちらがメールを見たという証拠にしようとしているんだと思いますけれど、正直うんざり。 ウチのホテルでは、さまざまなケースに対応した返答の定型文がありまして、お客様からのお問い合わせやクレームへの対応にはこれをアレンジして使うんですけれど、ときどき、うっかり直し間違えて送ってしまったりすることがあるんですね。 そうすると、そこをとらえて「サービス業に携わる者としては、あるまじき間違い」だとか、ねちねちとクレームしてくる。それで、そのメールをご丁寧にも他のセクションにCCメールで送りつけたりする方も。 その上、「君ね、私みたいな有名人の場合は特に気をつけて仕事をすべきではないかね?」って、ご本人から電話がかかってきましてね。 私はあいにく勉強不足で存じ上げない方でしたが。念のため上司に聞いてみましたが、「誰?」でしたけれど(笑い)。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.84 より) ■電話中に考えこまないで下さい。 From 国内シティホテル 宿泊予約係 電話での予約受付の仕事をしています。 最近はメール予約が多いから、電話も数が減ってずいぶんと楽になったでしょうと言われる方もいらっしゃいますが、実はそうでもないんですよ。 だいたい今どきメールを使わず、電話をかけて予約される方というのは、メールやPC操作がお得意ではない方が多いシニアの方か、あるいはねっちりと質問されるような粘着系の方(笑い)。 粘着系の方は、質問の数がものすごく多いのと、いちいち聞くことが細かいのとで、電話がとっても長くなり、正直うんざりします。声には出ないよう気をつけていますけれど。 シニアの方やいわゆるオバサン系の方…って、なんだか変な言い方ですね(笑い)、相手の事情にかまわないマイペースの女性の方とでも言いましょうか、そういう方の場合、電話でお話している最中に、あーだこーだとえんえんと迷われたり、考えこんだりされるんですね。 こちらは時計の秒針をにらみながらお電話していますので、だんだんいらいらしてきちゃいます。考えるのは、電話を切ってからひとりでするか、よく考えて頭を整理してから電話して下さいませんか? (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.72 より) ◆◆◆ ラウンジ・スタッフ編 ◆◆◆ ■見てないふりして、見てます。 From 国内シティホテル ラウンジ・スタッフ 特別フロアのラウンジで働きはじめて一年ほどになりますが、マナーの悪い方があまりに多くて正直驚いています。 特別フロアのお客様ということで、最初は緊張していたのですが…。キャビンアテンダントの友人がビジネスクラスのお客様が一番マナーが悪いと言っていたのとどこか通じるものがあるような気がします。 一日に何度かミールサービスもするのですが、お料理やお菓子はビュッフェ台にきれいにディスプレイしてお出ししております。 ところが、いったんお皿に取ったお料理を戻したり、違うお料理のところに適当に放りこんだり、取る時にあれこれ選んでお料理の盛りつけをぐちゃぐちゃにしたり、もうさんざん。 ハイ、私どもも見てないふりして、けっこうよく見ていますね(笑い)。 食べ方も、おそらく普通のレストランではされないような、そのぉ…ちょっとリラックスしすぎた食べ方というか(笑い)。くつろいでいるというより、だらしない格好の方も多くて。 こうして見ていると、お客様のふだんのお暮らしぶりがついポロリと出ますね。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.68 より) ◆◆◆ ハウスキーパー編 ◆◆◆ ■ちょっと勘弁してよ…。 From 国内シティホテル クリーンスタッフ 最近ね、とんとお掃除が楽になったの。例の福島の原発のせいで外国人のお客さんがぜんぜん来なくなったでしょ。そしたらね、もうてきめん。違うのよねぇ、あの人たちの使い方は。どうやったらこんなに汚せるんだいってくらい。もう、私ら日本人じゃ、ちょっと考えられないからね。液体石けんの容器とか予備のトイレットペーパーとかも持ってっちゃうし。 上のレストランのね、ウェイターのお兄ちゃんたちもおんなじこと言ってたね。店の中に専用のトイレがあるらしいんだけど、ある国の方が使った後は必ずチェックしに行けってマネージャーからしつこいくらいに言われてるってさ。「もう、絶句しちゃいますよ」って言ってたけど、よくわかるよ。 国ってか政府がさ、どんどん日本に来て下さいって、熱心に呼び込みやってるらしいけど、私らはもうちょっと勘弁してよって感じだね。仕事が倍になるどころか、気分的にはもう何十倍にもなっちまうからね。ああ、やだやだ。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.86 より) ◆◆◆ バトラー編 ◆◆◆ ■なんとなくわかってしまうんです。 From 国内シティホテル バトラー 苦手なゲストですか? 仕事ですからね、ゲストのえり好みはしていられません。う〜ん、あえて言わせていただくと、「海外のホテルではいつも全部バトラーにやってもらっていてね」なんて、能書きをわざわざ言いながらアンパッキング(荷解き)を頼まれたりする方かな。自慢のおしゃべりのお相手するのがけっこう疲れるもので(笑い)。 この手の方は、スーツケースだけはブランドが誰でもひとめでわかるロゴがしっかり入ったやつなんですけどね、皆さんそろいもそろって(笑)。 そのわりにスーツケースを開けてみたら、お洋服や靴のお手入れ状態が悪かったり…あ、こういうの、見ればだいたい普段どんな風に使われていて、お手入れされているか、わかるんです。どんなに気張って一張羅を持って来られても、ちょっとした保管の仕方とか、折り畳み方とか、クリーニングの状態とかがね、やはり違うんですよ。 お荷物をひとめ見れば、わかります。全部っていうと、語弊がありますけれど、かなりのところまで、なんとなくわかってしまうんですよね。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.82 より) ◆◆◆ バンケットスタッフ編 ◆◆◆ ■よく見えちゃってます。 From 国内シティホテル 宴会サービススタッフ 何十人、時に何百人の宴会でサービスさせていただいておりますが、私の場合、生まれつきでしょうかね、お一人、お一人のことをけっこうよく見てますというか、見えちゃってます(笑い)。 お値段高めのお料理のところにばかり何度も何度も足を運ばれる方、たいてい人数分程度しかご用意してないので、正直ちょっと困りますが、まあ、けっこうこういう方いらっしゃいますんで…。具材の中から高いものばかり選んでよそっている方もね、ハイ、見えてますよぉ(笑い)。お偉いさん相手にへいこら米つきバッタみたいに挨拶していた方が、私どもにはがらりと違う横柄な顔を見せる、なんていうのも日常茶飯事。ウィスキー持ってきて、とか頼まれた用事をすぐしないと、大きな声で叱責されることもあります。「サービス、悪いね。こんなことじゃ、もうウチじゃ使わないよ」なんてそっくりかえってエラっそうにおっしゃる方もいて、正直、気分悪いですけど、これでおまんま食べさせてもらってる仕事なわけで、後でみんなで飲みに行って溜飲下げます。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.89 2011年12月発行号より) ◆◆◆ マネージャー&その他編 ◆◆◆ ■頼むから勘弁してよ…。 From 国内シティホテル ナイトマネージャー はぁ?っ。こういうお電話の後はもうただただ、ためいきつくしかないですよねぇ。40分以上でしたか…今日はまだ短い方ですよ。ええ、長い時は2時間近くになることもあります。こんな真夜中ですからね、フロントとかもスタッフの数が少ないもので、この手の「お問い合わせ」電話はだいたい私のところに回ってきます、ありがたいことにね(笑い)。 何を話しているかですか? ほとんど尋問のように、次から次へとご質問が続きまして、お部屋の広さは? タイプはどんなものがあるか? ベッドのサイズは?など細々と。ご質問の合間に、その方のご旅行体験など、ご自慢話がはさまります、ねっちりと(笑い)。「菅もあれだな」って突然、何を言うかと思うと、「もういい加減やめないとダメだな」なんてのも。もうやめないとダメなのはアンタ…とも言えませんでね(笑い)。適当に相槌打ってると、ちゃんと聞いているかのチェックが入るのはウチの女房と同じ。いくらホテルは24時間サービスって言っても勘弁してよ。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.88 2011年10月発行号より) ■いい涼み場所なんですけど…。 From 国内シティホテル ロビースタッフ この夏、本当に暑いですねぇ。そのせいで、ウチのロビーもちょっといつもとは様相が変わってしまってまして…。 よく病院の待合室が老人たちの集会所みたいになってしまっているって言いますでしょ? 今、ウチのロビーがそうなっていまして。ウチをよくご利用いただき、身元も確かで、お金は充分すぎるほどお持ちの方たちなんですが、毎日のようにいらして、日中、ずっとロビーの椅子とかで過ごされるんです。本や雑誌を読むわけでもなく、人を見るともなく眺めたり、居眠りされたりして。また同じようなお仲間がけっこういらっしゃるんですわ(笑い)。 ロビーを巡回しながらご挨拶したりするんですが、「涼ませていただいてるわ」と…。「喉おかわきになりませんか? 水分をお取りにならないと熱中症になられますよ」などさりげなく言ってみるのですが、「年取るとね、喉もかわかないのよ」と、ハイ。めいわくなことをされているという訳でもまったくありませんし、別にいいんですけれどね、ただ、ちょっと雰囲気がね…。 (情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.87 2011年8月発行号より) (c)copyright 2012 Hiroshi Mori Corporation, All Rights Reserved. | ||||